フミコム3年目を締めくくる2018年度最後の第36回のフミコムcafe、テーマは「協働」。今回は協働の実践者として、元文京区役所職員であり、現在は地域活動で活躍する三縄 毅さん、府中市で協働推進の施策に6年間携わってきた新妻 恵さんをゲストに迎え、お二人の活動の事例や協働を円滑に推進するためのヒントを中心に語っていただきました。
三縄さんは40年以上文京区に勤務した元文京区役所職員で、現在は全国から多くの視察の申込がある駒込地区の地域の居場所「こまじいのうち」、経済的に恵まれていない家庭の子の学習支援を行う「てらまっち」の運営にNPO法人の立場として携わっています。三縄さんが文京区に勤務されていた頃の話から「こまじいのうち」の設立、そして現在に至るまでのお話に、参加者の皆さまは興味津々な様子で聴き入っていました。
話のまとめとして、元行政職員としての経験も踏まえて、協働がうまくいくためのポイントとして【地域を知る、行政の施策を知る、社協と仲良くする】。地道に活動すること、行政をよく知ること、地域の社協を活用することといった提言は、非常に説得力があるものでした。
新妻さんは府中市での行政の立場だけではなく、プライベートでも地域の協働推進に携わっています。実際に府中市として、市民とどう協働を進めているのか、職員に市民協働推進員という役割を設け「協働」を自らの言葉で説明できるような研修を実施。さらに「府中市市民活動センター プラッツ」の事例等、具体的な実践内容をユーモアを交えて語っていただきました。
話のまとめとして、協働を進める上では事業内容だけではなく、「相互理解」という視点を持つこと、多少無茶でもまずは元気にやってみる姿勢を持つこと等の提言をしてくださいました。巧みなトークと、その中に織り交ぜた核心を突いた提言に、参加者の皆さんも引き込まれていました。
その後は近くの席の方同士で交流タイム。三縄さん、新妻さんの「熱意」に感化された参加者の方が多く、それぞれのグループで活発な意見交換が続いていました。
cafeの終盤、新妻さんから「協働という言葉に参加者の皆さんはどんなイメージを持ちますか」との問いかけがありました。【難しい、面白い、どちらでもない】の三択で、その時点ではやや【難しい】が多く見受けられました。
ですが、今回のcafeを締めくくった
「正解はない。だから協働はおもしろい。」
との言葉どおり、多くの方が三縄さんや新妻さんからのヒントを通して協働のおもしろさを実感し、活動を発展していけるよう、応援していきます。
○アンケートのコメント
・とにかく踏み出す
・相互理解は大事、他者の価値観を尊重する
・初めて話を聞いて、活動のレベルの高さに圧倒された
・あまり最初に決め過ぎず、でもゴールやスケジュールはしっかり擦り合わせる
・役所だけではなく、社協や町の人と連携し、いろいろな形を考えながら活動していきたい
アンケート回収後も随所で立ち話が続いており、こういったつながりから生み出されるものが、地域に還元されていくことを期待しつつ、イベントは終了となりました。
フミコムでは来年度も地域の課題を知るはじめの一歩、新たなつながりを創るきっかけの場としてフミコムcafeを開催していきます。これまでご参加いただいたことがある方はもちろん、まだ関わっていない方のご参加もお待ちしております。