「シカクい政治をマルくする~デザインの力で“とっつきにくさ”をブレイクスルー~」を開催しました。ゲストは、NPO法人YouthCreate代表理事の原田 謙介さん、デザイナーの保田 卓也さん・三上 悠里さんです。ゲストの皆さんは、今年度の文京区提案公募型事業『Bチャレ』で、文京区の小中学校でつかう文京区独自の主権者教育用補助冊子づくりにチャレンジ中です。
会場は大盛況。
近隣の中学校の政治ゼミの先生と生徒さんや、元中学校の先生、地域の方など約50名の多彩な方々に参加いただきました!最年少参加者は1歳の女の子でした。
まず、ゲストのこれまでの活動を紹介いただきました。
原田さんは、大学1年生の頃から、「政治が遠い存在なのはなぜなんだろう」という疑問を持ち、学生団体「ivote」を結成し20代の投票率向上の為の活動をはじめました。大学卒業後、NPO法人「YouthCreate」を設立し、全国の学校での出前授業やイベントなど「若者と政治をつなぐ」活動を行っています。
ところで、皆さんにとって政治は身近ですか?
原田さんが、目指しているのは、日常の中で気軽に政治の話しを出来るようになること。
その為に2つのことを大切にしているそうです。
1つは、「その人にとって大事な事柄」は何かということです。例えば、「G7会議開催!」よりは「毎日使う駅がどうなるか」の方が話しやすいですよね。
2つ目は「人」に注目すること。政治を担っているひとと気軽に話しつながる機会があることは政治が身近になる要素だそうです。
もう1組のゲスト、デザイナーの保田・三上さんは日本国憲法をリデザインし、『小冊子 [日本国憲法]』を制作、グッドデザイン賞を受賞しました。
私たちが、縁遠く感じてしまいがちな日本国憲法を、手軽に手に取れるデザインにし制作しました。重く厚く手に取りづらいものだと思ってしまいがちな憲法は、手に収まる厚さ約3ミリ、重さ約22グラムの冊子になりました。
その後は、「政治を○くする冊子をつくるには」をテーマにゲストでフリートーク。
・デザインは、重い印象を軽いイメージに変える力を持っている。
・気軽にすることは、単に量を減らし薄い本にすることではない。薄いが当たり前の事しか書かれていない通り一遍の冊子にするよりも、伝えたいことを豊かに入れ込みながら、読みたくなる届け方をしたい。楽しい漫画はどんなに量があっても子どもは読む。
・「こうだ!」と一方向で言い切るのではなく、ツッコむ隙のある、受け手が関与していける政治の本が出来るといい。みんなでアーダコーダ言えるネタになる冊子がつくりたい。
・そもそもどうして政治は□いのだろう?政治を○くするのに必要なのは政治の知識ではなくコミュニケーションの方法を知り、お互いの考えを面白く話せるようになることかもしれない。双方向に考える冊子をつくりたい。
などなど、まだ誰も見たことのない○い主権者教育の冊子が出来る兆しを感じるトークが聞けました。
その後は、参加者どうしで、グループトーク。
「政治」というテーマで幅広い世代が笑顔で話す姿が印象的でした。
質疑応答では、中学生の参加者からも積極的に手が上がりました。
デザインにおける言葉やカタチの力のこと、カリキュラムの中で教材の位置づけ、若者の政治離れを心配する意見等をいただきました。
冬は寒く夏も涼しい地下のフミコムも、参加者の熱気で、ついにフミコムにも夏がやってきました。
Bチャレでの冊子づくりの進捗は今後もお伝えしていければと思います。
最年少参加者にも館内投票「若者が投票に行きたくなるとは」にご協力いただき、
若い力を感じるフミコムカフェでした。