第103回のフミコムcaféは、葛飾区で活動されている、地域支援団体えまいまの代表である佐藤純さんをゲストに迎えました。
「えまいま」は、「“emergency(エマージェンシー)”に“いま”、備える」という意味を込めた名前で、居場所づくり・多世代食堂・フードパントリーなど色々な取り組みをされています。
今回は佐藤さんに、えまいま誕生の経緯や日々の活動で意識されている「フェーズフリー」への思いなどをテーマにお話しいただきました。

イベント前半では、えまいま誕生と佐藤さんが関わることになったきっかけをお話いただきました。えまいまを始めるきっかけとなったのは、葛飾のための地域活動を考える「葛飾会議」に参加したことが大きかったとのお話が...。佐藤さんは最初、子どものために作ったチアダンスチームの発表の場やメンバー募集のために、地域に知り合いが欲しいと思い、この会議に参加したそうです。しかし会議に参加するにつれて災害への危機意識が高い会議メンバーと話すことが増え、そのメンバーたちとともにまずは防災コミュニティスペースを運営する形で、えまいまの活動を2017年にスタートさせたとのことでした。
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イベントの中盤では、えまいまで佐藤さんが意識されていることや“フェーズフリー”を意識した活動の工夫についてをお聞きしました。
キーワードとなるのはフェーズフリー。これは、災害時(フェーズ)と平常時(フェーズ)の境目を無くして、日常生活の中で自然に行っていたことが災害時にも役立つような状況を普段からつくる、ということです。
今回のフミコムcafeでその例として、えまいまの代表的な活動である「えまいまキッチン(多世代交流として食堂を開催している)」での工夫を挙げられていたので、ここでも少し紹介します。
【平常時】→【災害時】
・α化米のご飯を食堂利用者に作ってもらい、それでカレーライスを作る
→災害時でもα化米が身近な存在となる
・食堂で大量調理を経験する
→災害時には、それが炊き出しのスキルとして自然と身についているようになる
・フードパントリーの開催で運営ボランティアに仕分け作業をしてもらう
→災害時の物資配布のノウハウになる
...と、このような形で、普段行っていたことが気づいたら災害時にも対応できるスキルとなるように工夫されていました!
そしてもう一つ、佐藤さんが大切にされている居場所づくりの大きなポイントとして「普段から安心できる居場所として思ってもらえるか」がありました。これは、人と居場所のつながりが普段からあることによっていざ災害を迎えた時の安心感が違う、ということ。佐藤さんは利用者にとって安心できる居場所として思ってもらうには、まず運営ボランティアが楽しめる仕掛けが必要だと語ります。それぞれ満足度や感じ方も違う中で、一人ひとりが得意を発揮できて苦手をやらなくてよい場、「やってみたい」を叶えられる場、お金ではない利益を実感する場として、楽しく活動できる時間でなくてはならない。
実際、学生が「炊飯番長」としての役割を持って活動したり、普段はデザイナーの人がえまいまキッチンの看板をボランティアとしてデザインしたりなど、各々が楽しく自分の得意を活かして活動しているようでした。佐藤さんからは、そのような安心できる場所をつくっていくと、協働・連携をしてくれる人が増えたり、利用者から運営ボランティアに回ってくれる人が増えたりと、より良い循環が生まれるのではないか?と先を見据えて活動されているお話を聞くことができました。
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その話を受けてイベントの後半では、グループワーク・ディスカッションを行い「今日からできるフェーズフリー」について、グループごとに共有しました。
居場所や子ども食堂を運営されている方などが参加されていた今回のフミコムcafe。
「職場の自分のデスクで何気なくストックしているお菓子が、実は災害時には食料品として役立つのかも?」「普段から日常生活と災害を区切ってしまうけど、自然に自分も災害に対して備えていることがある」などなど、たくさんの意見が交わされました。

【開催後のアンケート紹介(抜粋)】
・子どもたちに防災の知識を小出しにお伝えしている(意識させていない)ところが、とても工夫されているなと思いました。活動応援しております。
・平時に災害時のことを意識しながら行動することで、有事の際にいつもと同じように動けることや、ボランティアが楽しめる仕組みづくりなど、普段の生活や活動に取り入れられる気付きが多くありました。
・相手を尊重して信頼関係(報告・発信・フィードバック)を築く大切さは、仕事でも改めて意識していこうと思います。本職が多忙であろう中、多才を活かして地域活動に尽力されている佐藤さんの行動力が素晴らしく、貴重なお話をありがとうございました。
今回も、以前グラレコ(グラフィックレコーディング)の講座に参加してくださった斉藤さんに、フミコムcafeのグラレコを描いていただきました。
佐藤さんのお話を聞きながらどんどん絵として形に残っていく様子や、佐藤さんの朗らかな雰囲気がそのまま乗り移ったかのような似顔絵など、驚くばかりでした...!
最後に...普段から備える防災“フェーズフリー”を居場所で実践する佐藤さんのお話が印象的だった、今回のフミコムcafe。佐藤さんの居場所にかける思いや、いろんな人と関わっていく意義などを聞き、居場所・防災への見方が変わった方も多かったのではないでしょうか。
お忙しい中お話しいただいた佐藤さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました...!
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