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活動報告・発行広報物

【開催報告】第79回フミコムcafe 文京区をアートであふれるまちに-地域から始まるアート・コミュニケーション-

地域連携ステーション フミコム
  • 文京区全域
  • 福祉・健康(高齢者/障害者/その他)
  • まちづくり・安全
  • その他
日 時:2022年10月19日(水)
会 場:文京総合福祉センター カフェぶんぶん(1階)文京区小日向2-16-15
ゲスト:小松一世さん(文京アートプロジェクト代表) 小野寺伸二さん(NPO法人アート・コミュニケーション推進機構代表)
参加者:20名

文化的背景や障害の有無に関係なく誰もがアートと触れ合うきっかけとなることを目的とした展覧会「Bunkyo Brut~つながりのはじまり展~」が2022年11月に文京区役所にて開催されました。今回のフミコムcafeは、この展示企画に深く携わったお二人をお迎えして、アート・コミュニケーションについて学びを深めていく会でした。

イベントの冒頭で、今回のゲストである小松さんからこの活動を始めるに至ったきっかけなどについてのお話がありました。
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●活動を始めたきっかけ
小松さんは30年以上文京区に在住されており、ちょうど住み始めたころ、行政のお仕事として文京区と携わった際に地域活動に興味を持つようになったのだとか。また、これまでのお仕事の経験もあり美術やアートといった方面から文京区を盛り上げる活動をしたいと常々考えていたそうです。
そのため、神社の一角を借りて地域の子どもたち向けに、「アートかるた」という絵画の知識を遊びながら学べるイベントを行ったそうです。その際に福祉活動とアートの相性の良さを確信し、それが現在の活動にも繋がっているのだとか。アートの敷居を下げ、誰でもアートに携われるようになることを目指し日々活動をしているそうです。



続いて、本イベントの2人目のゲスト、小野寺さんからアート・コミュニケーションとはどのようなものなのか等の解説がありました。
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●「アート・コミュニケーション」、「アート・コミュニケータ」とは?
アート・コミュニケーションとは人と人、人と作品、人と場所をつなぎ、さまざまな価値観を持つ多様な人々を結びつける「出会いと学びの場」だそうです。そして、美術館・アートを「出会いと学びの場」にしていく仲間「アート・コミュニケータ」がみなさんの学びを補助していくそうです。
「アート・コミュニケータ」とは、美術館を拠点に、アートから生まれるコミュニケーションを大切にしながら、人とアートのつなぎ手として世の中に良い影響を与えられることを目的に活動していく様な存在だとか。世代や職業を問わず、多様なメンバーが活動していると小野寺さん。

続いて小野寺さんは「アート・コミュニケータ」としてこれまで行ってきた活動についてお話しくださいました。

●どのような活動を?
普段車いすなどで人目を気にしてゆっくりと美術館で作品鑑賞が出来ない方向けに、1日限定で障がい者手帳を持っている方なら無料で展覧会に参加できるというサポート企画を行ったそうです。また、障がい者手帳を持っている方対象に、コミュニケータが付き添い東京都の美術館を巡るツアーを行ったとか。その際には参加者の方々の学びを補助するために、作品の解説や作者の来歴についての小話などを丁寧に行ったと小野寺さん。他にも、アート・コミュニケータ育成のため勉強会を定期的に開催したりなど多方面にわたり活動されているそうです。




イベントの終盤、普段、小野寺さんがコミュニケータ活動の一環として作品鑑賞の際に行っているグループワークを、本イベントの参加者の皆さんと共に行いました。
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●グループワーク
まず、スライドに表示されているような十字の描かれたワークシートが参加者の皆さんに手渡されました。次に、「Bunkyo Brut~つながりのはじまり展~」に出展されている作品が10秒ほど提示されました。その作品に対して「この作品好き!」と思ったほど縦軸の上のほうに、「苦手!」と思ったほど下のほうに、そして作品の印象が「明確でわかりやすい!」と感じたほど横軸の右に、「抽象的で分かりにくい」と感じたほど左のほうにシールを貼るように指示されました。
参加者の皆さんが思い思いの場所にシールを貼った後、感想の共有時間がとられました。

・「非常に好きな色合いなので縦軸の上のほうだが、抽象的に感じたため左のほうに貼った。」
・「苦手な色遣いで意図が読みにくく感じたため縦軸の下、横軸の左のほうに貼った。」

など様々な意見が飛び交いました。

次に、同じ作品を近くでじっくり鑑賞する時間がとられ、同様のワークが再度行われました。
また、それにより作品に対しての感想が変化した人はシールを張りなおすように指示されました。すると、

・「最初は好きな色だと感じなかったが、近くでじっくり見ると、自分の好きな淡い色が使われていた。また、作者の意図をあれこれ考える時間があったため作品に対する理解が深まり、縦軸のより上のほうに、横軸の右のほうにシールを貼りなおした。」
・「最初から好きな作品だったが、じっくり見たことで細かな色遣いにも気づくことができた。しかし、より作品に対しての考察を深めた結果、最初はなんとなくわかった気でいたが、更なる疑問が広がり奥深さを感じた。そのため、縦軸のより上のほうに、横軸の左のほうに貼りなおした。」

など参加者の皆さんの意見にも変化が見られました。
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次に、「Bunkyo Brut~つながりのはじまり展~」で出展された障がい者アートの作成現場についてのお話が、施設職員の方から行われました。

●作品制作の現場の声
「Bunkyo Brut~つながりのはじまり展~」にて出展された作品の多くが施設の中のアクリル教室を通じて制作されたものだそうです。このアクリル教室は他団体との交流の場でもあったらしくかなり賑やかな雰囲気だったそうです。しかしそれ故に、静かにアートに勤しみたいという声もあったそうです。アートに対する稀有な才能を潰さないためにも施設の外に、アートに集中できる環境を作り、それが今回の展覧会にもつながったのだとか。職員の皆様一同で「施設の障がい者の方々が自由に、思うがままに、好きなものを描ける環境」を目指しているのだとか。


本イベントの最後にゲストの小松さんと小野寺さんの2人からお話がありました。

アートというのは作品を制作する側にも、それを受け取る側にも「正解」というものは存在しない。それ故に、作品を味わい、作品に対する意見を分かち合う喜びをぜひ感じてほしい。また自分とは違う意見・解釈にも触れ合い、何が異なるのかをじっくり考えて、それすらも楽しんでほしい。そのようにして「アート・コミュニケーション」を行い、アートを通じた繋がりの輪をもっともっと広げていってほしいとのことでした。


アートに対する敷居が低くなり、「アート・コミュニケーション」がさらに広まって、より多くの人がアートに触れ合う豊かな時間を享受できるようになるといいですね。

それでは、小松さん、小野寺さん、参加者の皆様、ありがとうございました!



●ホームページ等
・文京区ホームページ「Bunkyo Brut~つながりのはじまり展~」
https://www.city.bunkyo.lg.jp/bunka/gejutsu/bunka/bunkyobrut.html
・NPO法人アート・コミュニケーション推進機構
https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/013012796
・とびらプロジェクト
https://tobira-project.info/
・コミュニティカフェ BUNBUN
https://team-lien.com/service/bunbun.html