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活動報告・発行広報物

【開催報告】\違いを楽しむ 違いから学ぶ/ グラフィック レコーディング 実践・中級編

地域連携ステーション フミコム
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日 時:2021年2月6日、13日(土)9:30~12:00
会 場:ZOOMオンライン開催
講 師:本園 大介さん(グラフィックコミュニケーター)
参加者:のべ36名(2/6 19名、2/13 17名)
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昨年8月にオンライン開催した入門編も大好評だったグラフィックレコーディング講座、ステップアップ編を開催してほしいという声がアンケートでも多く聞かれたため、引き続きオンラインで実践・中級編の講座を開催しました。

とはいえ、実践・中級編から始めてご参加の方も約半数いらっしゃったので、最初はウォーミングアップを兼ねて初級編の復習から。

手始めに、初級編でも最初のお題だった「今の気持ちを「せん」で表すと」。
受講生の皆さんそれぞれの感性で描かれた作品を小グループに分かれてシェアし合い、講座のタイトル通り、違いを楽しんだり、他の方のアイディアから学んだりすることから講座はスタートです。

続いて、「さかな」と「鯵(あじ)」を1枚の紙の左右に描き分けるというもの。
鯵は、ひらきを描くなど、食べ物として表そうとしている方も多々見られました。

描く際には、そのものだけでなく、周辺の情報も添えると伝わりやすいと講師からのアドバイス。例えば、風景に月を足すことで夜だとわかるといったように、5W1Hを意識しながらどう情報を足していくかもポイントになります。では、どうやって情報を足すのか。それはいかにアイディアの引き出しを増やしていくかということで、すなわちほかの方のアイディアをシェアしていくことそのものが学びにつながっていきます。
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続いて、顔の表情のつけ方、身体の動きの描き方などを簡単におさらい。
顔のパーツや身体をバランスよく描く基礎練習としてあらかじめ共有しておいたワークシートを用いてポイントを伝えていきました。

休憩中も、
「グラフィックと合わせて書く文字を読みやすくするコツはどうしたらいいか?」などたくさん質問が寄せられました。
パッと目を引く書き方としては、数字や漢字を大き目に書くことでメリハリがつくといったアイディアを共有いただきました。
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続いてのテーマは「擬人化」。
つまり、人でないものを人であるかのように表現をするということで、前半におさらいした顔の表情のつけ方などが生きてきます。

さっそく実践ということで、出たお題は「株価アップ」「株価ダウン」の描き分け。
線グラフそのものに表情をつける人、株価を眺めている人の表情で表す人、お金に表情をつける人など様々なアイディアが出てきました。

1回目最後のテーマは「ネガポジ」。
出来事をいい面、悪い面両方から見てみることで、表現の幅が広がったり、事実の受け止め方が変わったりします。起こったことそのものは変えられなくても解釈は変えられる、解釈を変えることで次の行動が変わっていく、そんな願いも込めて本園さんはこのテーマを大事にしています。
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お題は「新型コロナ時代のネガポジ」。
いきなり絵に描くのではなく、まずは言葉からイメージされるポジティブな側面とネガティブな側面をチャットに書き出してもらいました。

・在宅勤務が増える
・家族との時間が増える
・新しい生活スタイルが可能になった
・オンラインコミュニケーションができるようになった
・リアルな出会いのありがたさ、会う価値が再認識された
・使える時間が増えた
・堂々と遊べない
・会社の売り上げが心配
・リフレッシュの機会が少ない

などなど、どちらかというとポジティブな意見が多かったような印象です。でも一つのことをとってもそれによりいい面も悪い面もあるので、その中でどう意味づけするかが大事であるとの話がありました。

最後はワークではなく、これらをもって、どう描き分けるかについてレクチャーがあり、1回目は終了しました。
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2回目のアイスブレイクを兼ねたワークは、前回の復習を兼ねて、
「ポジティブなせん」と「ネガティブなせん」。
前回のワークなどを通して少しずつ発想が柔軟になってきた皆さん、こちらでも様々な作品がシェアされました。

2回目の最初のテーマは「本質をとらえる」。
人物以外のものを描く時に、それだと一目でわかるのはどの部分か、ぎりぎりまで省略したときに残るものは何か、もっとも単純な形まで分解していきます。
具体的にリアルタイムにさまざまな例を描きながら説明していく本園さん。

そこから出てきたお題は、
「木」「林」「森」「ノートパソコン」。1枚の紙に描き分けていきます。

林と森はどう違うのか、正解があるわけではありませんが、ここでもこれまでに扱った、周辺情報を足していくことで表現の幅が広がっていくことなどのアイディアが出されました。
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続いてのテーマは「動物」。
動物が描けるようになると「馬のように速い」など、比喩表現での幅が広がっていきます。
縦長の楕円形、横長の楕円形、三角形をつかってどれだけ多くの種類の動物を表現できるか皆さんに描いてもらいました。

そしていよいよ最後に、グラレコの練習として、文章をグラフィックで表してみることにチャレンジです。
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グラレコのポイントとしては、
・要素を描く/書く
・囲む・つなぐ
・飾る(影をつけるなど)

一枚の紙にどういう順序で書いていくと読みやすい流れになるかなどの説明をした後にさっそく実践です。

なお、練習用の文章としては、NEWS WEB EASYというサイトのニュースが短くて練習するのに最適なもののひとつとのこと。

「厚労省の専門家会議で安全性を話し合い、ワクチンを使うことが決まりそう。大臣が発表すると日本で最初のワクチンになります。」といった内容を表現してもらいました。
「専門家」「会議」「ワクチン」「大臣」などをどう表現するか、この2日間のみっちりの実践の中で受講生の皆さんが描かれた作品は文字通り多彩でお互いに十分学びが大きいものとなりました。
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グラフィックレコーディングは学んでおわり、ではなく、実践を積み重ねるからこそブラッシュアップされていくもの。皆さんの仕事など日常生活の場でもちょっとずつグラフィックの要素を足してコミュニケーションにいろどりを加えていっていただけたらと思います。

フミコムでは今後もグラフィックレコーディングの講座を開催していきたいと思います。
この報告を読んで、私も学んでみたい!と思ったあなた、今後の開催予定をチェックしてみてくださいね!

フミコムC-base(文京区民センター地下1階)