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活動報告・発行広報物

【開催報告】つながりをひろげる オンラインだからこその 話すチカラ入門講座

地域連携ステーション フミコム
  • 文京区全域
  • 文化(芸術/スポーツ/教育/その他)
  • 子ども
  • 職業・暮らし
日 時:2020年10月17日(土)9:30~12:00
会 場:ZOOMオンライン
講 師:竹内 明日香さん(一般社団法人アルバ・エデュ代表理事)
参加者:14名(他グラフィックレコーディング2名)
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事前のアンケートで受講者から出ていたニーズは、
「ぱっと頭で思いついて話せたら…」
「コンパクトに話をまとめたい」
「話の流れを踏まえて自分の意見を持ち、それを伝えたい」
「心にぐっと刺さるプレゼンができるようになりたい」
「オンライン特有のコツを知りたい」
といったものでした。
皆さんも当てはまるニーズ、あるのではないでしょうか?
これらの声を踏まえながら講座を進行していきますと講師の竹内さんから話があり、まずは参加者の自己紹介から。参加動機などを改めて語っていただきました。
今回はカメラオンを原則に進めていたこともあり、講師の竹内さんからはワンポイントアドバイスとして、拍手の代わりに、手話での拍手を教えてもらい、一人ひとり発表の後にそのジェスチャーをしていきました。オンラインの場づくりでは活用できるアイディアですね!
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続いて講師の竹内さんの自己紹介。
いまは子ども・若者の話すチカラを育てる活動をしている竹内さんですが、実は竹内さん自身子どもの頃は話すのが苦手だったとのこと。しかし、さまざまな経験を通じて、論理的に人に物事を伝えられるようにならなければと思うようになり、今に至ったとのこと。
さらには、これまでの自分の仕事での経験から日本人の話すちからの弱さに気づいたこと、大人向けではなく子ども向けに話すちからを育てる活動をしようと思った経緯などお話がありました。
一般向けの講座を開催すると有料無料に限らず、課題意識のある、意識の高い家庭、子どもの参加ばかりになるけれど、むしろ届けたいのはそうでないところ、ということで、現在は公教育の場で話すちからを広められないかということにも注力されています。
また、コロナ禍においては、「オンラインおうち学校」と題してオンラインを活用して子どもの学びを保障する取り組みも行っているほか、子どもたちの「体験の場」が著しく失われている状況に対して「オンライン社会科見学」も実施するなど、ニーズに合わせて精力的に活動しています。

自己紹介の結びとして竹内さんは、経済格差が教育格差につながり、それが「話すちから」の欠如につながってしまい、貧困の連鎖を生むのを断ち切りたい、変えるために動いていきたいと団体のビジョンを熱く語っていました。

続いてオンラインのコツについて、”いい聞き手”を増やすために聞き手が大きめのリアクションをする、画面をずっとのぞき込んでいると疲れてしまうので姿勢を変えてみる、また声の出し方などのヒントも話してくれました。
コロナ禍はピンチではあるけれども、新しいことに取り組むチャンスでもあるととらえて、負の面ばかりに目を向けずに違いを楽しむことも必要ではないかと話す竹内さん、これは何にしても通じるマインドなのかもしれません。
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本題の最初は、「そもそもなぜプレゼンなのか」という話。
実は何事にしても「そもそも」を確認しておくことは大切です。
絶滅危惧種の保護、災害による死亡者の減少、全世界でのワクチン接種率の向上…こういった世の中の変化を考えてみると、実は最初の一人の「言いだしっぺ」の熱意から変わっているとも言えるかもしれません。
「世の中を変えることができる、そのためにプレゼンがある」と竹内さんは話します。
調べたことをまとめて卒なく伝えるのがプレゼンなのではなく、伝えたい思いを込めること、こここそプレゼンの一番大切なところです。

その上で、プレゼン能力についてのセルフチェックシートを用いながらまず自分はどこが苦手なのかを明らかにしつつ、プレゼンのコツについて解説が進んでいきました。

人前で話すことが怖いと思うのは日本人だけではありません。
話すちからは天性の才能というよりは筋トレのように継続して練習していくことで伸びていくものだという前提が大切です。

話すちからは大きく分けて3つのステップがあります。
すなわち、「考える」→「伝える」→「見せる」なのですが、ポイントはこの順番に進めていくということ。見栄えや筋書きの前に、まず何を伝えたいのかをしっかり考える、この準備段階、考えることにしっかり時間配分を費やすことが大事です。


休憩中にも「考える」の時間配分が知りたいなどの質問が寄せられました。
情報収集はいっぱいしているけれども気が付いたら本番は明日…ということもよくある話で、そこのタイムマネジメントに頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。
もちろんバランスは人それぞれですが、本番まであと時間はどれくらいあるかから逆算して、考える:伝える:見せるの割合を6:3:1くらいにしていると竹内さんは話されていました。

また集めたネタをどう整理するかについては、メモやノートアプリを活用する、その際はハッシュタグをつけて管理することであとで引き出しやすいなどのヒントも教えていただきました。
さて、続けて後半戦の最初は次のステップ「伝える」。
伝えるときにあらかじめ原稿をつくるかどうか、どの程度詳細に作るかどうかはお一人お一人のスタイルにもよってきますが、実際にプレゼンをするときに大事なのは言葉はもちろんですが「目」。特にリアルな場では聴衆全体への目配りなどができているかといった非言語的なところでいかに伝えるかという視点も大切です。この点オンラインではカメラに向かってお話をすればよいのでだいぶ変わってきた点ではあります。
逆に原稿に気を取られて聴衆(カメラ)と目を合わせられないと伝わるメッセージも減ってしまいます。また聴衆の反応を見ながらでないとメッセージが伝わっているかどうかの確認もできなくなってしまいます。そのためにもあまり事前の原稿にとらわれすぎたり、読み上げるだけにならないような工夫が必要になります。

また伝えるときの声について、日本人の声の特性についても解説があり、特に伝えたいポイントについては「大きく、太く、強く」発生を心掛けるといいとのことでした。
声のトーン一つでも伝わりが方が違ってくるので、事前の発声練習も大事です。
なお、声質の違いみたいなものは、こちらの動画が参考になるとのことです。
Let It Go - Behind The Mic Multi-Language Version (from "Frozen")
https://www.youtube.com/watch?v=BS0T8Cd4UhA

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基礎編最後のステップは「見せる」。
ここについては現在はパワーポイントなどのスライドのデザインもバリエーションが増え、おすすめのテーマを提案してくれたりもするので、最初はそれを使っていくのも一案。
「見せる」で一番大事なのは、絵や写真は厳選して、文字はキャッチコピーくらいのつもりで、あくまで話を聞いてもらい、スライドは補助程度に見てもらうくらいの使い方をすること。

どうしても一枚のスライドにいろいろと詰め込みたくなってしまいますが、実は大事なのは何を入れるかよりも「余白」。何を入れないかを考えながら作ることがポイントです。

他にもいくつもポイントを織り交ぜながらの基礎知識のインプットののちは実践編。

まず前段で、各国の18歳を対象に行われた国や社会に対する意識調査で「自分で国や社会は変えられると思う」という項目が日本は突出して低いということをグラフを見て確認しました。

なぜそんなにパワーレスになってしまっているか、どうしたら元気になるかを受講者の皆さんからチャットでアイディアを出してもらいました。
VR、ARやAIなどIT技術の発達により人間がやらなければいけない仕事というのが減って、余暇に充てられる時間が増えるかもしれない、新しい乗り物が開発されているかもしれない、新しい技術が生まれているかもしれない…様々な可能性も想像できます。

大事なのは、ネガティブなこともポジティブなこともじっくり考えて言語化すること。
ありきたりのことを集めて発表するのでは、なかなか相手の胸には残りません。
それにより、プレゼンの広がり、深まりが出てくるのではないかと竹内さんは話します。

そしていよいよ実践。エレベーターピッチということで、出されたお題について10秒で話す内容を考え、30秒で話すということにチャレンジしてみました。
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こういったものも練習を重ねることで段々慣れてくるので、いかに自分でハードルを下げられるように日常のちょっとした出会いや会話を活用するかということも大切です。

最後に講座の締めくくりとして、受講者一人ひとりが「どんなことに課題を感じている/どんなことに興味があるか、そのために明日からできることは何か」を発表してもらいました。一人ひとりの発表の後には、アルバ・エデュ恒例の両手を広げての「あなたならできる!」という掛け声を。ここからパワーをもらった方も多かったのではないでしょうか。

成功する人は、成功するまであきらめないこと。そして考えを言語化し伝えること。
これはいろいろなところで共通することだと思うので、フミコムでもこの思いをもとに地域の様々な活動のサポートを続けていけたらと思います。

フミコムでは地域活動でも、仕事や学校でも役に立つスキルを身につける朝活を年に数回開催しております。地域に踏み込むはじめの一歩として今後も皆さんのご参加をお待ちしております!
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当日は2名の方が講座の様子をグラフィックレコーディングしてくださいました。
どう伝える、どう見せるかということではプレゼンとグラフィックレコーディングは通じるところもあるのかもしれません。
フミコムではグラフィックレコーディングの講座(朝活)も実施しておりますので、関心のある方はぜひそちらもご参加ください!

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