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活動報告・発行広報物

【開催報告】第51回フミコムcafe オンライン 屋上養蜂からまちづくり!ハチがつなげる地域の縁

地域連携ステーション フミコム
  • 文京区全域
  • まちづくり・安全
  • 町会・自治会
日時:2020年6月18日(木)19:00~20:30
会場:オンライン(Zoom開催)
ゲスト:岡田 信行さん(㈱オルト都市環境研究所/芝BeeBee'sプロジェクト)
参加者:33名
近年、都市型農園など、都市部でも土を触る、自然に親しむことの大切さが見直されてきています。そんな中で注目されているのが屋上を利用した養蜂です。
今回は、芝BeeBee'sプロジェクト(港区)やHamaBoomBoomプロジェクト(横浜)に携わられている岡田信行さんにお話を伺いました。実は、ミツバチをつなぎ役として、様々な交流が生まれていました。
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■「わたし、養蜂の専門家ではないんです!」
岡田さんから飛び出したのは、このひと言でした。街づくりがご専門の岡田さんがどうして養蜂をしているのか 実例を交えてのお話しがはじまります。それは、Hama BoomBoomプロジェクト、芝BeeBee'sプロジェクトとして都市部で行われている養蜂のお話でした。大学や区役所の屋上でハチミツを採集し、地元産ハチミツや生キャラメルとして、地域イベントなどで販売するのです。活動の担い手は地域住民の方々や大学生など。そこでは世代を超えた交流の場が拡げられているのでした。
大切にしていることは「オモロイことでつながろう!」ミツバチが地域の人々を結び付けていたのです。

■「やせるためにダイエットする人はいない・・・?」
実は、横浜の緑はこの30年で激減しており、緑化計画が今一歩うまくすすんでいませんでした。理由をさがすうちに、岡田さんは緑化自体が「目的」になってしまっていることが原因ではないかと考えるようになります。
「やせることを目的にダイエットする人はいないですよね。」誰でもキレイになりたい!モテたい!と思ってダイエットしはじめるのに、そのうちやせること自体が目的になってしまったりします。都市部の緑化も、「どうやって・・・」という手段から考える流れに変化していったそうです。


■「ひと・まち・環境」を「オモロイ」共通要素でつなぐ
かつて地域では、「ひと・まち・環境」が互いにつながりながら生活が営まれていました。しかし、経済の発達により「ひと」と「まち」の関係が複雑になると、「環境」がとりのこされてしまいました。さらに都市部では、ひとり一人が専門化しすぎて「ひと」がお互いにつながることが難しくなっていきました。一方、インターネットの普及で、同じ趣味・趣向を持った人が、地域を超えてつながるようになり、一層地域でのひとのつながりは希薄になっていきました。
「多様化したが、つながれない」地域につながりを取り戻すために、「オモロイ」と思える共通要素で「ひと・まち・環境」をつなぐことを岡田さんは考えていきます。

■「牛を飼う」ことも考えたんです
”地域をつなぐ共通要素”について、岡田さんは語ります。
まず、考えたのは、廃線になった電車の空地でリタイヤしたオヤジさんたちが「ソバ」栽培する企画。おもしろい案でしたが、空地の利用計画が既に決まっていて決定には至りませんでした。
つぎに考えたのは、当時広い空地があった”MM21地区”で牛を飼うというアイデアです。ホルスタインを背景に観覧車が見えるのも面白いと思い企画されたのですが、さすがに牛を飼うのは体力的にも資金的にも大変ということで廃案に。
そこで、持ち上がったのがビルの屋上でハチを飼う案です。巣箱ひとつ置くだけではじめられ、周辺に花が増えれば緑化にもつながる。ということで養蜂をすすめることになったのです。

■ミツバチがつなぐ「ひと・まち・環境」
養蜂はほとんどの方が初心者で地域住民も学生も社会的地位など関係なくいっしょに作業ができます。ハチミツは地元の名産品として、地域らしさのアピールにもなっています。そして、地元ハチミツのために地域に花を植えようという活動にも広がっていきました。

岡田さんは最後にこうまとめられました。
「こうして、養蜂を通じて『ひと』がつながり、ハチミツが『ひと・まち』をつなぎ、花が増えることで『環境』につながっていきます。私たちは、これからも養蜂という手段で地域のつながりを顕在化することで、地域資源を生かす社会をめざしていきたいと考えています。」

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その後、参加者から多くの質問が寄せられました。岡田さんはひとつひとつ丁寧に回答されましたが、興味深い内容をご紹介します。
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◎養蜂の事業の注意点について
養蜂は近隣の方にご迷惑をかける可能性があるので、事前説明は町内会を通じてご説明するなど、メリット・デメリットを相当丁寧に実施するようにしています。
ミツバチに刺されることは多いのですが、ペットと同じように優しく接してやるとミツバチの性格も優しくなるようです。また、ミツバチの行動範囲が半径2kmくらいなのですが、丁度、人の活動圏域とほぼ一致しているのも興味深い点です。
また、活動を続けていると「ハチミツ増産プロジェクト」みたいに、どんどん生産量をあげたくなったりするのですが、本来の目的である、地域のつながりを忘れないように常に見直しをしていく必要もあると思います。

◎ハチミツの販売について
巣箱ひと箱で、年間に多いと70kgくらい少なくても20kgは採れます。実は都市部は花の蜜を吸う虫が少ないこともあって、たくさん採れたりするんですよ。
売上金は、協力いただいている大学や行政機関に計上してもらっています。それもまた、巡り巡ってこの活動に帰ってきています。


◎コロナ感染予防下での今後の活動について
活動の形は今後、変わっていくだろうと思います。ミツバチを飼うこと自体が目的ではないので、ミツバチをみんなで集まって飼育することが困難な状況では、製品のハチミツをみんなが個別バラバラに広げていくということも考えられますね。養蜂にこだわらず、世代間交流を目的として、今後どのようなやり方があるか考えていきたいと思っています。

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<トピックス:文京区での取組み>
・文京区でも退職された方々が養蜂を通じてつながりを持っていく取組をすすめる取組みが「ぶんぶく屋上養蜂部」として始動しつつあります。(令和2年度Bチャレ団体)

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<参加者からいただいた声>(抜粋)
●ミツバチを飼うことが目的ではない、という気づき。手段と目的を取り違えないようにしないと、という所が刺さりました。
●岡田さんの内容は養蜂をテーマにしながらも、街のつながりの考え方という点で大変参考になりました。
●地域の住人や子育て世帯、小学校などと協力して蜂を育てることも可能。可能性はすごく感じた。
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そして、今回もお二人の方がグラフィックレコーディングに取り組んでくださいました!ありがとうございました!
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次回は、7月15日(水)19:00~20:30
(zoomによるオンライン開催)
テーマは"スキ"だけでは伝わらないものがある
~振り返り、見つめなおす オンライン交流会~”
ぜひご参加ください!
開催案内 https://www.d-fumi.com/article/detail/1193