まず、山口さんが東京2020パラリンピック ゴールボール男子日本代表に内定したことを参加者の皆さまに発表しました。山口さんは落ち着いた様子でしたが、会場はいきなり大盛り上がりを見せました。
山口さんのお話は、お父様と野球に明け暮れた幼少時代の頃の思い出からスタートし、レーベル病という難病を発症した中学時代の話へと進みました。最初は、野球のボールが見えにくいといった自覚症状があったそうですが、それが病魔の影響とは思わなかったそうです。しかし、症状は日々進行し、ついにお父様から難病を発症していることを聞かされたそうです。それでも、家族はもちろん、特別扱いせずにこれまでと変わらず毎日学校に一緒に行ってくれた友人や、理解を示してくださった先生といった周囲の人の存在が大きかったと山口さんは仰っていました。
そしてお話は、ゴールボールとの出会いがあり、山口さん自身大きく成長できたという高校時代の話になりました。障害を受容できた高校1年、様々な事で結果を出せた高校2年、大学進学に向けて努力した高校3年と山口さんは振り返ります。そして通っていた盲学校にいた先生がゴールボールの日本代表キャプテンであり、その先生に憧れて山口さん自身もゴールボールに夢中になっていったそうです。
山口さんは元々明るい性格だったそうですが、病気になってからもそれは変わらず、何事も前向きに捉えるようにしているそうです。普通は「視力を失っていなかったら」と考えてしまいそうなところを、「視力を失ったからこそ」と考えているそうです。視力を失ったからこそゴールボールで世界と戦うことができる、視力を失ったからこそ講演等で大勢の人に自分の経験を話すことができる、視力を失ったからこそ周囲のありがたみを感じることができる・・・。山口さんから語られる前向きな言葉に参加者の皆さまは大きく頷きつつ、聴き入っていました。
最後に山口さんは「障害は不便ではあるけれど、不幸ではない」と話し、障害があることで成長できたと仰っていました。今の目標は共生社会の象徴であるパラリンピックで結果を出すことで、これまで支えてくれた家族や友人に感謝の気持ちを伝えたいと仰っていました。既に決勝戦で勝つイメージもできあがっているそうです。口が+(プラス)と書いて、「叶う」になることから、山口さんは公言することで自らを鼓舞し、それに向けて努力を積み重ねているそうです。話を締め括った山口さんのアスリートらしい言葉には、自信がみなぎっていました。
その後は、参加者同士での感想のシェアを含めた交流タイム、山口さんへの質問タイムとなりました。予定の時間を過ぎても参加者と山口さんの交流は続き、大盛況の中で今回のフミコムcafeは終了しました。参加者の皆さまの声をアンケートからの抜粋という形で紹介させていただきます。
・工夫して努力すればできないことはない!できないことは数えない。
・ポジティブに考える
・小さな成功を積み重ねることが大事
今回のフミコムcafeでもグラフィックレコーディングを実践しています。館内に掲示していますので、是非ともご覧いただければと思います。
フミコムでは今後も地域の課題を知るはじめの一歩、新たなつながりを創るきっかけの場としてフミコムcafeを開催していきます。
次回は2月21日(金)、「ふだんの協働がまちを支える-災害時に官民協働のネットワークで取り組んだ岡山の実践から-」をテーマに開催します。
https://www.d-fumi.com/article/detail/1127/
引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。