頭ではわかっていても、もっと具体的にかみ砕いて、自分で手を動かして、さらにそれを人前で発表することで学びは定着していくもの。
今回は、ステークホルダー分析と、ファンドレイジング計画について、講義をした上で課題を出して、それについての発表とフィードバックを行う形でゼミを進めていきました。
8月は、ステークホルダー分析。
初回の講義では、分析するいくつかの手法について学びました。
・ドナーレンジチャートでは、現在の団体の寄付者が、どのくらいの金額帯にどのくらいの人数いるのかを分析することで、寄付の傾向を把握することができます。その上で、重点ターゲットをどこに置くか、どういう寄付メニューをつくるかの戦略を立てていきます。
・ステークホルダー分析は、団体のまわりにいる、既存・潜在支援者を可視化することにより、各ステークホルダーと団体との距離、人数を把握すると同時に、潜在的な支援者はどのような人が考えられるかの洗い出しにもつながります。
・ドナーピラミッド分析では、既存・潜在支援者と団体の関わり方を可視化することで、自団体のピラミッドの形を把握すると同時に、階層のボトルネックを把握することで各階層とのコミュニケーションをどうとっていくかの戦略立案に役立ちます。
考え方と学んだうえで、2回目はゼミ形式で各自、自団体のステークホルダー分析を行い、講師からコメントをもらい、学びを深めていきました。
1か月あけて、10月は分析したステークホルダーに対してどうファンドレイジング戦略を立てていくかを学びました。
講義では、現状分析をしてから、基本方針を策定した上で実施計画を策定するというファンドレイジング戦略のプロセスを学びました。
前回作成した自団体のドナーピラミッドを見て、1年後、5年後、10年後にはどのようなピラミッドの形にしたいかをイメージし、そのためにはどの階層にどのような方法でコミュニケーションをとってファンドレイジングを強化していくかを立案します。
オンラインでの情報発信やSNS、メールなどの活用のほか、紙媒体で開放を送ったり、PRイベントを行ったりなど、団体の活動に合わせたコミュニケーション方法として何が適しているか具体的に検討しますが、その際には、寄付をしていただいている方に対する感謝を示すことと同時に、さらなるお願いをどう伝えていくかがポイントになります。
基本方針を立てたら、実施計画。数年後の目標を設定した上で、ではこの1年間で何をするか、できることを考えたうえで、誰(どの担当者)が、いつやるか、目標金額をどうするかなど具体的に検討していくことで、進捗管理もできるのがポイントです。
考え方をひととおり学んだうえで、最終回は各団体のファンドレイジング計画の発表と講師からのコメント、さらには実際に計画策定に取り組んでみた感想シェアなどを行いました。
講師から出された課題は、決して楽なものではなかったと思いますが、自分で考え、また団体内で共有する中で、団体の活動や方向性を改めて考えるキッカケにもなったのではないでしょうか。
ファンドレイジングというと、どうしても財源のことばかり考えがちですが、財源+事業+体制の三位一体であることを踏まえて今後の活動に生かしていただけたらと思います。
6月の講座から参加した方にとっては5か月にわたる学びとなりましたが、皆さんと一緒にゴールテープを切ることができてスタッフとしても感無量です!