子どもたちにとっては、遊ぶことそのものが目的になります。
整えられた遊具よりも、自分たちで遊びを作り出すことが好きなのです。
大人は子どもの持っている力や可能性を信じることを意識し、子どもたちがさまざまな試行錯誤ができる環境を整えた上で危険を取り除いてあげることが大切、とプレーリーダーとしてのお話をしてくださいました。
続いて日独青少年指導者セミナーでのドイツへの視察のお話も伺います。
遊ぶことで社会が変わる。いろんな人がいろんなスタイルで子どもと遊べるようにと、ドイツでは大小さまざまなプレイバスやプレイトランクなどが用意されているそうです。
環境局の局長は「遊びは大人になるための準備」と仰ったそうですが、まさにドイツでは遊ぶことで適切な大人になれると考えられています。そのため大人の管理する活動と子どもの自由な遊びのバランスが保たれているそうです。
ドイツの子どもたちが自由に遊ぶ姿を収めた写真はどれも皆楽しそうで、会場内にも笑顔が溢れ、笑い声も上がっていたのが印象的でした。
そんなドイツ視察を経て関戸さんは「遊びー文化ー教育」とは1本の線で繋がっていると感じたと話します。
「遊びたい」は人間の学ぶ意欲の初期欲求、きちんと満たされれば自然と学習意欲が高まり自ら学習するようになります。
遊びを通した自己決定は民主主義を学ぶことにつながる、つまり自分たちのまちは自分たちでつくっていくという意識が根付くようになるのです。
そしてプレーパークの良いところは、子どもはもちろん、大人も手を貸したりと自然に役割を持って参加することで元気になれるところだと関戸さんはお話しされました。
子どもは遊ぶことで、大人は子どもの遊び場を作ることで自分自身を知る。
遊び場づくりをする中で地域での関係性が修復されていく、そうして日本ではコミュニティ再構築につながっているといいます。
今後日本でももっと子どもが主体的に自由に遊べる場所と環境が整えられていくことを期待しつつ、関戸さんのゲストトークは終了となりました。
その後の参加者の方同士の交流の時間やイベント終了後も、自分の住んでいるまちでの子どもたちの遊び場の話や子育てのこと、ドイツでの取り組みに共感したところなど笑い声も混じった活発な意見交換が行われていました。
参加者の皆さまにご記入いただいたアンケートの内容をいくつかご紹介します。
・大人こそ遊ぶべき(遊びを通じて学ぶ、つながる)
・あそびができる場所が増えるといいなと思います
・やっぱりしっかりあそぶ!って大切!
今回のイベントを通じて得たヒントやつながりが今後地域での活動に生かされていくことを期待しています。
また、当日運営から参加した社会福祉士の実習生の感想も一部、ご紹介させていただきます。
・大切なことは、子どものさまざまなチャレンジを見守り、必要に応じてすぐに手助けする大人が近くにいる環境づくりなのではないかと考えた
・教育という事を入口にせず、遊びを教育につなげていく事で、子どもの学習意欲が高まるなど、私自身の新たな価値観にもつながった
・今日の交流をきっかけに、その場でたくさんのつながりができているように思った
関戸さんは、プレーパークは「待っている場所」でなので、これからは「遊びをまちに届けに行く」ことで新しい出会いの機会をもっと広めていきたいと考えているそうです。
文京区内でも六義公園が子どもに特化した公園としてリニューアルし、文京プレーパークも毎月第1日曜日に開催されるので、ぜひ足を運んでみてください。
なお、当日は3名の方がグラフィックレコーディングしてくださっていました。現在館内にて掲示中なのでぜひ、ご覧いただければと思います。
フミコムでは今後も地域の課題を知るはじめの一歩、新たなつながりを創るきっかけの場としてフミコムcafeを開催していきます。これまでご参加いただいたことがある方はもちろん、そうではない方のご参加もお待ちしております。