今年度最初の朝活のテーマは「チームづくりとファシリテーション」。
年度がかわって新たにコミュニティに所属したり、所属するコミュニティに新たな人が入ってきたりして、これからどうチームを作っていこうかと思っている方も多いかな、と思いこの時期の開催となりました。
「グループの連帯性は恐怖と絶望とに対する最大最強の守りであり、外傷体験の最強力な解毒素である。」
『心的外傷と回復』J.L.ハーマン
この言葉からスタートした本講座。チームワークを育てていくには、チームが「ホーム」であること、すなわち、安心安全で立ち返れる居場所であることが大切。そんな安心安全をつくりだすための働きかけがファシリテーション。
カウンセラーを本業とする講師だけあって、心理学的なアプローチも取り入れつつ、ワークを実践し振り返りを行う中で学びを深める体験学習という形で講座は進んでいきました。
言葉を介するもの、言葉を介しないものを織り交ぜながら、相手とのコミュニケーションをどうとっていくか、どうゴールに向かって進んでいくかを体験しました。
安心安全のゾーンから、一歩踏み出して挑戦してみるときの心の動きをゴムひもを使って体感するワークでは、休憩時間中に受講生同士で自発的にいろいろ試してみて新たな気付きを共有するところから学びが深まる一面も。
また、一枚の紙を講師の指示通りに折ったり千切ったりして、その結果をそれぞれ見せ合うと、全員残った形は様々。そんなことからも、多様性を理解することができるというワークなども学びました。
何かに挑戦する時は、失敗しても安心して立ち返れる場所と、そしてその挑戦がその人にとって魅力あることであることが必要です。例えば行列のできるラーメン屋さんは、そのラーメンが美「味」しいから。それが挑戦する意「味」との講師の言葉が印象的でした。
2回目の講座のスタートは、まずグループの中でのルールづくりを体験。大切にしたいこと、嫌だと思うことをそれぞれ乗り物の絵を描いて枠をつくり、その内外に書いていきました。
しかし、チームで実際に動く時にはこのルールに縛られるのではなく、メンバーが窮屈と感じたら、柔軟に変更しても良い。それも含めてルール化するなど、チームを育てるうえでどうルールを活用するかもファシリテーターとしての視点で重要です。
ワークの最後は、連続性のある絵が描いてあるカードを1人1枚ずつ、他者に見えないように持ち、言葉で各自が持っている絵の内容を説明しながら、順番どおりに並んでみるというチャレンジ。20数名が言葉だけを頼りに間違えずに並ぶのはかなり至難の業ですが、各自どうしたら正解にたどり着けるかアイディアを出し合いながらコミュニケーションをとり、2回計5時間という限られた時間ながら、すっかり熱いチームワークが生まれた講座となりました。
アンケートでの満足度も高く、続編や継続した学びの機会を希望する声が多く聞かれました。
・チームの原則は存在の肯定であり、「あるがまま」と「なすがまま」は違うということを改めて学んだ。
・最高のパフォーマンスを支える最強のサポート「そばでニコニコしていてくれればいい」という言葉が響いた。
・「寄り添うこと」と「向き合うこと」の違いについて考えさせられました。
など、チームに大切な「安心安全の場」を意識したコメントが多くみられました。
フミコムでは、皆さんの日常にも、また地域での活動にも役に立つスキルを学ぶ講座をこれからも開催していきます。ぜひ皆さんのフミコミをお待ちしています!